筋トレで頭が良くなる!という研究を2つ紹介して、「具体的にどれぐらい筋トレすれば頭が良くなるの?」という疑問にもお答えします。
筋トレで頭が良くなる?
筋トレで頭が良くなるという研究は近年でも結構行われてるみたいです。
実際に、シドニー大学で行われた実験を紹介します。
筋トレで認知機能が改善!
認知機能が衰えてきた高齢者を100人集めて(55歳~)、参加者を4つのグループに分けました。
①筋トレと脳のトレーニング
②筋トレと自然の動画
③軽いストレッチと脳トレ
④軽いストレッチと自然の動画
筋トレの頻度は週2~3でマックス重量(1回ギリギリ挙がる重さ)の80%くらいの負荷で行わせたようです。
大体10回前後上げ下げできる重量です。
高齢者がマックスの8割ってのはちょっと重いような気もします(笑)
これを半年続けた結果、筋トレを行ったグループは認知テストで大幅な脳機能の改善が確認されました。
研究曰く、筋力は脳力とも関係している可能性があるようです。
Higher strength scores, but not greater VO2peak, were significantly associated with improvements in cognition (P < .05).
(高い筋力スコアはものすごく認知機能の改善と関係していた。心肺機能よりも関係性が高かった。)
筋トレは回数・セット数をこなした方が頭に良い?
もう1つの実験(マードック大学)も紹介します。
筋トレのボリューム(重量x回数xセット数)があった方が、BDNFという脳に良い物質が出るんじゃね?ってことをチェックしました。
この実験では、11人の筋トレ初心者~中級者の男性、5人の筋トレ初心者の女性集めて、全員を2つのグループに分けました。
年齢層はさっきの論文とは違って25歳前後になっています。
①高重量・低ボリュームで筋トレ→5回5セット(休憩3分)
②中重量・高ボリュームで筋トレ→10回3セット(休憩1分)
①は合計の回数が25回で、②は合計の回数が30回なので、若干ですが②のボリュームが多めって感じですね~
その結果、ボリュームが多いグループ2の方がBDNFの分泌量が多かったみたいです。
ってことは、筋トレで頭を良くしたいなら重量に関わらずボリュームを増やす必要がありそうです。
高重量(1~5回)だとボリュームをこなすのが難しいので、中重量(8~12回)で多くセットを組むのがベストかもしれません。
Changes in lactate and BDNF from baseline to post- exercise were positively correlated following hypertrophy exercise (r = 0.70; p < 0.01), but not correlated following strength exercise (r = 0.18; p = 0.56).
(中重量で筋肥大を狙った筋トレの方が明らかに乳酸とBDNFの量が増えていた。逆に筋力アップを狙うような筋トレだとほとんど増えなかった。)
どれぐらいトレーニングすれば良い?
具体的にどれぐらい筋トレをやれば筋肉がついて、頭も良くなりそうかを考えてみました(これは個人的な考えです)。
大体ですがマックス重量の7~8割(8~15回が限界になる重さ)でセット数をこなしていきます。
途中でかなり疲労感が溜まってきたなと感じたらそこでトレーニングは終了です。
「そんな主観的な感覚で大丈夫なの?」と思われそうですが、実際にPREスケールという主観的な疲労度を測れるものがあり(1~10)、だいたい7くらいあれば筋肉を発達させるには十分だと言われています。
「かなり疲労が溜まってきた...もうちょい頑張れそうだけど...(PRE7)」くらいの状態になったらそこで終了してもOKです。
(※1)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jgs.14542/abstract
(※2)
http://www.jsams.org/article/S1440-2440(17)30347-X/abstract