プレワークアウトは筋トレ前に摂取することで筋トレ中の集中力や効率を上げてくれるサプリメントのことです。
今回は代表的なプレワークアウト5つそれぞれが本当に効果があるのか論文を調べて、最後におすすめランキングを紹介します。
プレワークアウト5つをランキング付けしたよ
今回ランク付けするのは以下の5つのサプリメントです(糖質は厳密にはサプリではなく三大栄養素の1つですがご容赦下さい)。
・クレアチン
・カフェイン
・糖質
・アルギニン
・シトルリン
まずは論文を交えて効果を確認していきましょう。
クレアチン
クレアチンは筋トレ前に飲むべきか筋トレ後に飲むべきか調べた実験があります(※1)。
19人の参加者を対象にクレアチンを筋トレ前に飲むグループと筋トレ後に飲むグループに分けて合計4週間トレーニングしてもらいました。
参加者は全員筋トレ歴の長いボディビルダーです。
①筋トレ前に5gのクレアチンを飲む
②筋トレ後に5gのクレアチンを飲む
トレーニングは週に5回のペースで、分割法で行っています(胸と肩トレの日、脚トレの日、水曜は背中と二頭の日など)。
結果、トレーニングに後に飲んだほうが筋肉量が増えていました。
(筋トレ前+0.9kg 筋トレ後+2kg)
筋力もトレーニング後のほうが増えていた(ベンチのマックス重量)。
クレアチンは筋トレなどの瞬発的な筋力が必要な運動をする前に飲むとトレーニング効率が上がると言われていますが、これを見ると筋トレ後に飲んだ方がいい気がします。
それか筋トレ前後どちらも飲むのもアリですが、それだと過剰摂取になってしまうのでカラダに何かしら悪影響を及ぼす可能性があります。
また、クレアチンは水分を吸収する働きがあるので5gのクレアチンに少なくとも400mlの水分を混ぜて飲んで下さい。
筋肉が攣る可能性があります。
カフェイン
数あるサプリメントの中でも定番のプレワークアウトと言えば間違いなくカフェインです。
カフェインの筋トレ効果を調べた論文があります(※2)。
筋トレ歴1〜2年、20〜30歳の女性8人を対象にまずは以下の4種目のマックス重量にチェレンジしてもらいました。
4種目:ハックスクワット・プルダウン・ベンチプレス・レッグエクステンション
その後4週間にわたって条件を変えながら筋トレをさせたようです。
1週目→カフェインを飲まずに筋トレ
2週目→体重1kgあたり6mgのカフェインを飲んで筋トレ
3週目→スターチ(プラシーボ)を飲んで筋トレ
4週目→体重1kgあたり6mgのカフェインを飲んで筋トレ
カフェインを飲むタイミングは筋トレ30分前のようです。
結果、ハックスクワットは4週目に筋力アップし(99kg → 121kg)、レッグエクステンションの回数も増えました(27→38)。
プルダウンとベンチプレスについては4週目でも特に変化はなかったようです。
効果を実感するには、体重当たり最低でも3gは必要で理想は5g以上とかなので、カフェインに弱い体質の人は絶対にやめておいた方がいいでしょう。
体重当たり5gはコーヒーだと5~7杯くらい(笑)
カフェインに弱い人は無理ですね。
カフェインに耐性がある人でもコーヒー何杯も飲むのはめんどくさいんでサプリに頼った方が早いです。
糖質
糖質は筋肉を働かせるうえで必須の栄養素です。
また、一酸化窒素を増やして筋肉の血流をよくする効果もあるので、パンプアップ(筋トレ後に筋肉がパンパンになること)もしやすくなります。
筋トレ前に糖質を飲むべきっていうのはさんざん言われていて、もはや常識という感じですが、一応実験を参考にしてみましょう(※3)。
プロテインを取ったグループ、プロテインと糖質を取ったグループ、プロテインと糖質とクレアチンを取ったグループだと、やはり糖質を取ったグループの方が筋肉量や筋力アップにつながっていました。
で、クレアチンも一緒に取ったグループが一番効果があったようなので、やはりクレアチンを筋トレ前に飲むのは選択しとしてはアリと言えそうです。
糖質源はぶどう糖、バナナ、おにぎり、ジュースなど吸収が早いものならなんでもOKです。
摂取タイミングは筋トレ30~1時間前くらいで量は50g前後(200kcal)が良さげです。
トレーニング直前とかだと確実に食べたものが胃から逆流して気持ち悪くなります。
アルギニン
アルギニンは一酸化窒素が増えるおかげで血流が促され、パンプアップ(筋トレ後に筋肉がパンパンになること)に良いと言われています。
でも、科学的にはそこまで効果がないようです(※4)。
この実験ではアルギニンを飲んでも体内でほとんど一酸化窒素にならないことが発覚しました。
でもシトルリンは一酸化窒素を生み出す働きがそこそこありそうです。
アルギニンを摂取するなら摂取量は2000mgぐらいがおすすめです。
シトルリン
先ほどの実験ではシトルリンはパンプアップに普通に効果的と言われていましたが、あんまり意味ないんじゃねっていう研究も出ています(※5)。
この実験では普段から筋トレをしている男女を集め、8gのシトルリンを飲むグループとプラシーボグループに分けて筋トレをしてもらいました。
重量は1RM(限界ギリギリで1回挙がる重さ)の70%で10回10セットを目指しました。
結果、シトルリンを飲んでも特にレップ数には差がなかったようです。
(シトルリン94.0 ± 7.9 and プラシーボ90.9 ± 13.9)
しかもシトルリンを使ったグループは筋トレ後72時間の筋肉痛がプラシーボグループよりも悪化していたらしい。
しかも最後にこんな注意書きをしておられる。
Coaches and athletes should be aware of the disparity between the chemical analyses of the products reviewed in the present investigation versus the manufacturers’ claims.(コーチやアスリートはサプリに関する既存の科学的データと製造業者の宣伝文句の間に食い違いが発生していることに注意すべきだ。)
要はメーカーが「このサプリにはこういう効果がありますよ!」と言ってても科学的にはあまり証明されていなかったりするから気を付けろということですね。
サプリ業界は利益を得るためには平気で嘘をつくことがあるので皆さんも注意して下さい。
以上を踏まえてのおすすめランキング
科学的データで考えると...
①糖質②クレアチン③カフェイン④シトルリン⑤アルギニン
主観で考えると...
①糖質②クレアチン③シトルリン④アルギニン⑤カフェイン
カフェインを飲んでも効果が実感できず、しかも体質のせいか腹に膨張感が現れたり疲労感が増えるので僕は5位にしました。
もちろんカフェインが大丈夫な人であれば高い効果を発揮する可能性があります。
シトルリンは一ヶ月くらい使っていた時期がありますが、筋トレ後にしっかりと筋肉が張っている感じがあったので、個人的にはおすすめです。
まあ、アルギニン・シトルリンは効果がほとんどないって結論なんで、プラシーボの可能性も高そうですけど(笑)
ちなみに、このブログでは筋トレを日常的に行っている人におすすめのサプリを紹介した記事もあるので気になった方はどうぞ。
筋トレの効率を上げてくれるサプリ2つ-プロテインとクレアチンの効果を解説 -
プレワークアウトなんか別にいらない?
ぶっちゃけ、別に取らなくてもあんまり問題ないのでお金に余裕がない人はプレワークアウトにお金を出す必要はありません。
糖質は手軽に安く手に入るのでお金を使いたくない人は糖質だけで十分です。
基本的には食事にしっかりとお金を使った方が良いです。
そのことを証明するためにも、アスリートボディ様の許可を頂き、画像を引用させて頂きました(※6)。
このピラミッド表を見れば、いかにたんぱく質・脂質・炭水化物のバランスが取れた食事を毎日取ることが重要か理解できると思います。
フィジークに出場している人や、0.5kg単位で差が出てしまうパワーリフティングに取り組んでいる方なら、1ミリでも多く成果を出す必要があるので必須レベルかもしれませんが、筋トレを趣味でやっているだけの人は普通の食事を徹底的に管理にすることから始めましょう。
(※1)
(※2)
(※3)
(※4)
(※5)
(※6)